You are here: Home // 建築家具(日本語) // 建築家具が雑誌「デザインがわかる」No.9に掲載されました

建築家具が雑誌「デザインがわかる」No.9に掲載されました


建築家具が、ワールドフォトプレス「デザインがわかる」No.9に掲載されました。(2008年8月)

ぱっと開いてまるごと折り畳める生活空間

キャスター付きスーツケース状のかたちで、シンプルな収納家具のようなボックス。ゴロゴロと移動させてサイドロックをパチンと開き、1、2、3と展開してみれば、なんと驚きの早変わりでひとつの部屋が現れる。そこはベッドに加えてデスクや照明を甘美した個室の空間。寝室がすっかり折り畳まれていたのである。

別のボックスを開くとパーソナルな本棚付き書斎が現れ、可動式のキッチンがパタパタと展開して完成する。 まるで用途別の空間を部屋ごと圧縮するように、使わないときにはコンパクトに折り畳んでしまえるのだ。その名も「建築の機能を併せもつ家具/建築家具」。デザイナーの鈴木敏彦さんが提案するシリーズで、建築金物を扱う杉田エース社との提携から新たに開発されたのが、ここで紹介する3つのモデル。「食」「寝」「働」という人の行為をテーマにデザインした建築家具である。

実際に使用できる空間をまるごと折り畳むのだから、その立体寄稿は、家具としてはかなり大胆な動きになる。構造のバランスを緻密に計算し、パーツの回転や伸縮をスムーズにするヒンジなどを駆使して、シンプルな動きでみごとに展開。壁に固定せずとも自立して、しっかり安定する仕組みだ。キッチンはIH調理器と給水・排水タンクを内臓。コンセントをつなげばどこでも使えるようになっている。なにもない場所でも建築家具があれば、用途に応じた生活環境が成立するというわけだ。

このデザインに大きな可能性を感じるのは、アイデアに建築という意識が織り込まれているからだ。住宅設計の用語にスケルトン&インフィルという言葉がある。建物全体を、躯体部分のがらんとした空間(スケルトン)と、変更可能な設備や間取り(インフィル)のふたつの要素にわけて、生活スタイルの変化に対応する。建物を壊さずに長く使う、建築の持続可能性を高める手法だ。

近頃はマンションなどにもその考えが広まっているが、リフォーム工事で間取りを変える大掛かりなものではなく、もっと日常的な用途変更に即応できる新たな概念が「建築家具」なのだ。建築としてのインフィルと、動かせる家具との中間領域にある存在。このコンセプトで住空間のデザインが広がると、ひとつのスペースの可能性は無限に拡張していくだろう。身近なことで考えれば、場所がなくて実現できなかった専用空間が1、2、3で瞬時につくれるとしたら・・・。欲しい機能を盛り込み週末だけ開く趣味室や、自宅でサロン開業もあり。さて、あなたなら何に使うだろうか。
(2008年8月20日 槙美加さんの記事より)

Trackback URL

Leave a Reply

Copyright © 2009 Atelier OPA. All rights reserved.
Designed by Theme Junkie. Powered by WordPress.