石川宗孝

Munetaka Ishikawa
Designer
プロダクトデザイナー
ishikawaatelier-opa.com
アトリエOPAにて、設計とデザインを担当しています。

プロフィール

2007年 株式会社ATELIER OPA デザイナー
2007年 東北芸術工科大学 大学院芸術工学研究科デザイン工学専攻 修士取得
2005年 東北芸術工科大学 プロダクトデザイン学科 修了

主な展覧会

2005年 London Designers Block(ロンドン) 「Link」にて照明「Balance」を出品。
2008年 Ambiente (ドイツ・フランクフルト) 国際消費財見本市に担当のAHFUAを出展。
2009年 Interior Lifestyle China(上海・中国)、経済産業省選出のデザイナーとして出展。


平面から立体へ展開する構造に関する研究

- 形状記憶合金を用いた構造 (その1) -
(日本インテリア学会 2006年発表)

石川 宗孝* 、鈴木 敏彦
*(東北芸術工科大学芸術工学研究科デザイン工学専攻)

Study on the Structure to develop into the solid from the plane
The structure which shape memory alloy is used for(Part1)
Ishikawa Munetaka Suzuki Toshihiko

1.研究の目的

 本研究の目的は平面であるものを効率的に立体におこすことができる構造を用いて使用しない際には畳めておくことができ、ものを省スペースの中に置くことができるようなプロダクトに応用することにある。
その構造としては、様々な形状記憶素材の中から今回は形状記憶合金を利用することにする。この素材はとくに他素材との組み合わせがより多く見られ形状記憶の性質を有効に利用していると思われる。この形状記憶合金の温度変化により形に変化が生まれる性質を用いて平面を折り曲げ、そこから生まれる造形を利用した形状の可能性の検討を行い素材の特性を生かしたプロダクトに応用したい。

2.形状記憶合金の特徴

 普通の金属は、力を加え変形させると変形前の形に戻ることはない。しかしこの形状記憶合金というものは変形後にある一定の温度以上に加熱することで元の形状に回復する性質を持った合金である。この金属の素材は、ニッケルとチタンの合金でありそれを熱処理することで元に戻る性質を持った合金へと変化する。また形状回復温度は合金の配合・熱処理温度によって変えることができる。これにより形状回復温度が常に使用する温度より低温であれば、変形後に力をはなすだけで瞬時に元の形状に回復する性質となりこれを超弾性合金と呼ぶ。

3.形状記憶合金の応用例

 形状記憶合金の応用例としてはポットがある。これはポット内に貯められている水が沸騰していない際は注ぎ口から出てこられないという仕組みであるが、これは形状記憶合金のバネとステンレスのバネが水の温度変化によってスライダー弁を動かすというものである。(図1)このように他素材との力のバランスを組み合わせることにより機能するようなプロダクトを提案する。

4.設計の意図と構造

形状記憶合金を用いる上で大切なことは形状を変えるためにあえて熱を生むのではなく、間接的なものとして熱が発生し、その熱を有効に活用出来なければいけない。
 その中で今回提案したものは電源を入れるとシェードが浮き上ってくるという照明である。この照明の構造部分には形状記憶合金の板材・線状の超弾性合金とそれらを繋ぐためのアルミパイプが利用されている。そしてこの形状記憶合金の熱を加えることによってもとの形状に戻ろうとする力と超弾性合金の常にもとに戻ろうとする力とのバランスを利用し、超弾性合金にシェードを下げようと力を形状記憶合金にはシェードを上げようとする力を発生させた。
 その構造にはまず直線に記憶された形状記憶合金の板材の両端をアルミパイプで繋ぎそれを線状の超弾性合金の輪に組み合わせる。そうすることで超弾性合金が常に正円に戻ろうとする力がアルミパイプに繋がった形状記憶合金を外に引っ張る力となり、使用していない際にはシェードは下がる。また電源を入れることで形状記憶合金の直線に戻ろうとする力がアルミパイプに繋がった超弾性の輪を内に引っ張る力となりシェードを上げる。(写真1)
そのシェードには紙を用いり折り目を入れることで容易に持ち上がる。1つの同じ構造からシェードに様々な折り目を入れることでバリエーション展開を行うことができる。(写真2)

5.検証と考察

 形状記憶合金の板厚、超弾性合金の線径ならびに輪の直径また全体の重さ、全てが上手く噛み合なければならず制作段階で様々な変更と改良が求められた。またその中でどれだけ軽量化を図ることができるかによって形状の変化に大きな違いが現れるため最小限の部品に抑えることが重要となった。
 またこの構造の動きを見ることで構造自体がシェードを持ち上げるということより超弾性合金の輪を外に押し出す動きと内に引っ張る動きがあればシェードが持ち上がることが分かる。そのために今回のような形状記憶合
金の回復形状が湾曲したものから直線になるようなものではなく、ばねのように伸縮するものでその両端を超弾性合金の輪に繋げ形状回復温度の際に縮むことによって輪を内に引っ張ることができれば効率的な構造となることが分かった。

6.新構造の提案

前回検証してみて分かった新たな構造としてばねを利用した動きを実際に制作し検討した。この構造にはまず形状記憶合金ばねが熱によって縮まるよう設計されている。そしてそれを電球を設置した場所に配置し、その両端はシェードと接合させている。またその接合部に半円になった超弾性合金を置くことで前回の構造で起こったように超弾性合金にシェードを下げようとする力を、形状記憶合金にはシェードを上げようとする力を発生せ
ることができた。(図2)


7.今後の展開

 今回、形状記憶合金を利用した照明という方向を検討したにすぎず、まだ多くの可能性があると考える。また照明に関しても動きがそのまま構造の形になりすぎた点、耐久性などの課題を残している。今後は形状記憶合金の新たな構造を模索し検証することすることで解決していきたい。

技術協力 株式会社サガミ
神奈川県横浜市鶴見区上末吉3-3-30

1 Response to " 石川宗孝 "

  1. [...] Atelier OPA está compuesto por Ph.D. Yuki Sugihara, Professor Toshihiko Suzuki, y el diseñador Munetaka Ishikawa. [...]

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