You are here: Home // 卒制に勝つ! // 10-1.高橋明希さんに聞く(1)

10-1.高橋明希さんに聞く(1)

Share |

第10章 卒制の勝者にインタビュー

高橋明希さんに聞く (2005年度卒業生 優秀賞)

高橋さんは大学を卒業したあと、株式会社レマークのアクセサリーデザイナーとして多忙な毎日を過ごしています。常にトレンドの半年先を予測して、冬には夏の、夏には冬のコレクションの準備に追われる彼女にとって、5年前の卒制は遠い過去の出来事のように感じられるようです。半ば忘れかけているところを、インタビューとメールのやり取りとりで無理やり思い出してもらいました。

(1) 卒制のイメージ、そして就職活動

―高橋さんにとって卒制とはどんな物だと思っていましたか。

「初めてのイベントなので、みんながびっくりするものを作らなくてはいけないと思っていました」

―それは今までの卒制展を見てそう思ったの?

「そうですね。とにかく、テーマも作品も大きくないといけないんだと。今までの卒制を見ていろいろ学んで、小さいと迫力が無いから、大きいものを作らなくては、と思いました」

―高橋さんは、ずっとドット(水玉)をライフワークにしてきたでしょう?自分の得意なテーマを卒制にする上で、何か悩みはありましたか。

「好きなものを作ったり、その人らしい作品を作ったりするのが卒制だと思っていましたが、そのためには水玉に何かを足さなくては、と思っていました。卒制なのだから、人の役に立つものとかアイデアを見せなきゃいけない。でもどうしたらいいんだろう。自分の世界を形にする方法はなんだろう、と悩んでいた気がします」

―私が用意したお悩みチェックリストには、「神がおりてこない、インスピレーション待ち(参照:Q.10)」と「今までの授業の延長で頑張っているが、飽きてきた(参照:Q.11)」に丸がついていますね。確かに途中、研究がストップした時期がありましたよね。

「本当に何にもしない時期があって。先生にも何度も早くやりなさい、って言われたけど、何も考えられない時には何もしませんでした(笑)」

―本当にみんな何もしてなかった(笑)。11月にゼミ生を集めて、「幾ら予算を消化しましたか」と尋ねたら、ほぼ全員が後期は、卒制にお金を使ってなかった。あの時は愕然として、とにかく予算を消化しろとゲキを飛ばしたんですよね。実際には「サイトスペシフィックツアー」に出かけたり、他のプログラムも実施したりしていましたが、秋が深まっても、誰も具体的な制作に取り掛かっていなかった。だから翌年以降はゼミのプログラムを改善したんだけれど。でも、あの間に高橋さんは就職を決めたり、「ワコルネアワード」でワコール賞を受賞したり、東京デザイナーズウィークに出かけたり、けっこう充実した学生生活を過ごしていたでしょう。就職はどうやって決めましたか?

「正確には、リクナビNEXTでは募集していました。転職サイトなので新卒はだめだと分かっていつつ応募したら面接の電話が来ました。張り切って行ったら、履歴書を見るなり新卒はだめだと即断られました。本当は事前にメールで言っていたのですが、見ていなかったようです。
どうしてもこの会社に入りたいのと、せっかく東京まで来たんだからこのままでは帰りたくないと思ったので、2時間あまり社長を説得し、入社したい情熱を伝えました。翌朝に、『あなたの情熱にやる気と可能性を感じ、採用します』とメールが来ました」

―素晴らしい。熱意で就職を決めたんですね。高橋さんは卒制のテーマは比較的早く決まっていたのに、最終的な内容を確定するのはなぜ大変だったんでしょうか。夢の箱(参照:9-1-1)は楽しそうに作っていましたが、当時の事を何か覚えていますか?

「箱の課題が出た時は、何でも自分の好きなものをやっていいんだ!という気持ちで、内容を考える事もなく、自分がいいと思うままに夜の10時から朝の5時までで一気に作ったのを覚えています。あんなに課題を楽しく作れたのは久々でした。手のひらサイズの世界は自分でも把握がしやすく、材料も少しでいいし量的に揃えるのも楽。制作時間も予想できる範囲だし、こういうものを作ればいいというイメージがすぐにわきました」

―高橋さんの箱は自作のピアスがたくさん入っていて、内側の鏡に蝶々や水玉が移りこんでいて、とてもポップで印象的な出来栄えでした。でも、一つ一つのモチーフを売り物として換算しても単価が低くて、総額が8000円に満たなかった。だから、卒制で同じ水玉モチーフを追求するにしても、宝石を使うなり漆塗りにするなり、材料の単価を上げろと私は何度も言ったんですが、それは受け入れてもらえなかったのよね。(つづく)

Trackback URL

Leave a Reply

Copyright © 2009 Atelier OPA. All rights reserved.
Designed by Theme Junkie. Powered by WordPress.