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7-1.学生の作品を最終的に審査する役割

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6章では卒制を料理に例えました。本章では卒制展の重要な役割と、卒制の秘策について解説します。

第7章 卒業制作展の3つの役割

卒業制作そのものは、卒業年度の学生が取り組む一過性の研究に過ぎません。しかし、卒制の展覧会そのものは、全学をあげて行われる大掛かりな行事です。「○○年度卒業制作研究発表会」と銘打ち、下級生のみならず、学外の来場者に作品を披露する大規模な展示会と化すのです。

私は教員として大学に所属していたとき、卒制展の仕組みをうまく学生に説明することが出来ませんでした。また、学生達も当事者ですから、あえてその意味を説明してもらう必要は無かったのです。「見ればわかる」とは、美大でひんぱんに通用するセリフです。しかし、あえて言語化することで明確になることもあるのです。

卒制で渦中の人となる前に、自分の立ち位置を見極めておきましょう。中には、卒制展の役割を把握しないままうっかり卒制にのみこまれてしまい、思わず運営役員を買って出て、他の学科との連携やポスター制作など、イベントの忙しさに巻き込まれてしまう学生が例年続出しています。それで本人が幸せなら良いのですが、「展示に関する仕事が忙しすぎて、自分の制作に集中できない」と言う悩みも良く耳にします。ナーバスになる前に、卒制の3つの役割を整理しておきましょう。


一つ目は、授業の一環として先生が学生の作品を審査する役割です。

多くの美大では、さまざまな賞を設けて卒制の優秀作品を選抜します。
コンテスト形式で行う審査会では、物の見方から人生観までをめぐって先生と学生が熱いトークバトルを行うことも少なくありません。卒制という名のこのコンテストでは、これまでの授業の取り組みを布石として、その上でどれだけ自由に表現を積み上げたかを判断します。つまり、学生にとって卒制とは、4年間学び、受け継いだことを示す場です。そして教員陣にとって卒制とは、学科のDNAを調べる場でもあるのです。

ですから、卒制の表彰には先生から見た作品の評価だけでなく、学科のポリシーや学科の対外的なメッセージがこめられていると考えると良いでしょう。たいてい賞の対象には、今後の学科の未来がかいま見える作品や、学科の発展性を感じさせる作品が選ばれます。

卒制の第一義は、審査員(先生)vs受講者(学生)という構図で描かれます。卒制の審査では「教育と文化の伝承」がキーワードです。現在、卒制に取り組んでいる皆さんは、卒制を授業の一環としてとらえ、学生としての自分の立ち位置をしっかり認識しておいて下さい。


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