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8-3.「ひらめき重視派」の傾向と対策

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本章は、第4章で分類した「唯我独尊マイペース型」の皆さんに贈る対策です。

第4章「唯我独尊マイペース型」の出費レポートはこちら

 あなたはセンスが良いほうですか。周りに一目置かれるアイデアを思いつくことに誇りを抱いていますか。ひらめきを重視する学生は、おしゃれな作品作りにも、ベタな手順を踏まえて説明する重要性を知っておいたほうが良いでしょう。

 「問題解決型アプローチ」を好む学生が理論的に物事を考えるのに対して、「ひらめき重視派」の学生は直感的に物事を見抜きます。これといった理由もなく、突然発想を飛躍させることが出来るからです。彼らはテーマが与えられると、答えや形がぱっと頭に浮かぶので、あとはそのイメージを現実の形に落とし込むべく制作します。彼らの作風のキーワードは、右脳型、感性、センス、インスピレーションといったところでしょうか。

このタイプの学生は、総じてお洒落です。つまらない課題にもスパイスの効いた答えを出してきます。プレゼン資料を作らせると実に美しい構成で仕上げてきます。その並々ならぬセンスは講評会のたびにほめられるので、早くからクラスで頭角を現していることでしょう。彼らは特に意識しなくても、課題のハードルを余裕でクリアできるので、卒制でも「人とは違う何かを直感的に表現しよう」と考えています。

 しかし私に言わせれば、卒制の趣旨は「人とは違う何かを誰にでもわかるように表現すること」です。たとえ直感的に作品が出来た場合でも、なぜその直感が生まれたのか、ベタに解説する必要があります。なぜなら、研究とは物事の本質を解明し、誰もが再現できるように説明する行為だからです。それなのに、往々にしてひらめき重視派の学生達は、説明を忌み嫌う傾向にあります。彼らはこんな風に考えています。

「わざわざ言葉で説明する必要はないと思います。作品からすべてを読み取ってほしいから、タイトルもなるべく邪魔にならない位置に提示します」
そして作品の横に、ごくごく小さなフォントで印刷してあるネームカードをそっと置くのです。こうして卒制展の一角に、突如として完璧にスタイリッシュな空間が出来上がります。説明はなし。図解もなし。言い訳もなし。孤高のミニ・ギャラリーの完成です。

私はそんな学生たちに、声を大にして言いたいことがあります。
「説明しないと真の理解が得られないこともあるのだ」と。特に卒制ではくどいほど説明しても、決して損することはありません。それでは、ひらめき重視派の傾向と対策を順に確認していきましょう。

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