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9.実践!杉原ゼミ 実施概要

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本章では、杉原ゼミで実践した5つの課題を紹介します。

美大のゼミと言えば、学生が毎回持ち回りで研究の進捗状況を報告して、先生がコメントする形式が一般的だと思います。しかし、このやり方でゼミを進めるのは得策ではないと私は気がつきました。学生はそれぞれ異なるテーマをかかげているため、先生は聖徳太子のようにいろいろな案件に同時に答えなくてはいけません。一方で、学生は自分のテーマを発表する時だけ熱心に報告して、他の学生が発表している時には必要以上の関心を保てず、頭を休めてしまいます。各自がばらばらのテーマに取り組んでいる以上、先生が個別に対応しるだけでは、年間を通じてゼミ全体の士気を一定に保つのは難しかったのです。
そこで、私はこれまでの指導経験を元に、ゼミでは全員で取り組むプログラムを編み出しました。同じ時間に同じ費用で同じ課題に取り組めば、各自のテーマの差が明確になるだけでなく、素材の使い方や思考方法について学生同士が互いにアドバイスすることもできます。

ステップ1 夢の箱を作る 自分の表現したい世界を表現します。
ステップ2 完全コピープロジェクト 好きな造形を身近な材料で再構成しましょう。
ステップ3 ワークショップ 人海戦術で実験に費やす時間を短縮します。
ステップ4 外注先を調べる 最終的に使用する素材、加工技術の見積もりをとります。
ステップ5 研究をまとめる 卒制の取り組みを客観的に振り返り、論文にまとめます。

この5つのステップを実践すると、ゼミの仲間の個性を互いに認めつつ、自己の進捗状況を冷静に判断できるようになります。また、一人で取り組むのではなく、友達と同時に取り組んだり、ゼミの先生に講評をあおいだりして進めると、作業が楽になります。

あまり時間がない人は、ステップ1の「夢の箱」と、ステップ4の「外注先を調べる」を実行するだけでも、研究が確かなものになるでしょう。もし時間に余裕があるならば、全部のステップを実行してみて下さい。自分の個性を把握しつつ、素材を確実に形にしていく方法をつかめるはずです。


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