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著者インタビュー「世界で一番美しい建築デザインの教科書」



エクスナレッジ社から著者・鈴木敏彦へのインタビュー
An interview with author Toshihiko Suzuki, for publishing the text book. January 20, 2012.

世界で一番美しい建築デザインの教科書
7人の巨匠に学ぶインテリア・家具・建築の基本

価格:1,890円 (税込)
著者名:鈴木敏彦・松下希和・中山繁信
出版社: エクスナレッジ
ムック: 160ページ
発売日: 2011/12/15

(1)企画の発端についてご説明下さい。

今年、工学院大学の建築学科が日本初の建築学部(リンク:工学院大学建築学部)となり、その一期生の建築計画の講義をぼくが担当することになりました。従来、日本における建築教育は工学系の内容で占められ、一方でインテリアデザインやプロダクトデザインの教育は美大系で教えられています。しかしそもそも建築とは総合的な学問であるべきです。人々が生き生きと生活するためには、身の回りのスケールまで含めたデザイン教育が重要だと考えました。本書は、このような日本の建築教育の大きな改革を契機に「建築学部にふさわしい建築計画の教科書はいかにあるべきか」という問いから出発しました。

(2)本書の特徴についてご説明下さい。


まず、理想的なモデルとなるような建築家の選定から始めたことでしょう。本書に登場する7人の巨匠は、都市から建築、そして家具・プロダクトデザインの領域を横断し、統合した建築家です。中でも、建築をトータルデザインしたという意味でアルネ・ヤコブセンは傑出しています。ヤコブセンが総合的に設計を手がけたSASロイヤルホテル(現ラディソンブルーロイヤルホテル)には実際に宿泊して実測と撮影を行いました。彼がエッグチェア、スワンチェアといった家具をはじめ、照明、ドアハンドル、テーブルウエア、さらにはスイッチに到るまでオリジナルデザインにこだわったのは、何でもデザインしなくては気が済まない性格だったからではなく、理想的なホテル環境を実現する為にはトータルデザインが必要だったからです。

こういった事例を紹介するにあたって、中山先生の美しいイラストは、写真以上に饒舌に本質を語っています。また、ぼくが20年以上前に撮影したロンシャンの礼拝堂の写真も使っていますが、主要な写真については今年あらためて現地を回って撮影したものです。いずれも写真の出来映えはともかくとして、旬の新鮮さが命です。この取材にあたっては、工学院大学平成23年度総合研究所一般研究費の助成を受けています。(「家具(プロダクト)、インテリア、建築を横断する領域を対象とする新しい教科書のあり方に関する基礎的研究」)

(3)建築関係の読者にはどんな風に読んでもらいたいですか。

建築という大きな箱を、人々が生き生きと生活する場所に仕立てるためには、身の回りのスケールを構成するインテリアエレメントのデザインが重要であることを再認識してほしいと思います。言い換えると、建築には、インテリアデザイン、プロダクトデザインの教育が必要だということです。学生だけでなく、建築やデザインにたずさわるすべての人たちに読んでもらえると幸いです。

(4)お勧めのページを教えて下さい。

見所を挙げるとすれば、

●44、45ページの「プロダクトと建築が両立したヤコブセンのデザイン」
アルネヤコブセンが手がけたSASロイヤルホテルを解説しています。電気のスイッチまでデザインしたと新聞に報じられたほど、ありとあらゆるインテリアエレメントをデザインしています。トータルデザインの極致と言えるでしょう。

●56,57ページの「カップマルタンの休暇小屋はモデュロールの宝庫」
カップマルタンの休暇小屋は、コルビジェが居心地の良い空間を決める基準となるモデュロールを体系化した実験住宅です。粗末な小屋ですが、宝石箱のような魅力にあふれています。

●116、117ページの「考慮する事がいっぱい集合住宅計画のポイント」
レイクショア・ドライブの外観とうまく対比して、内部のアクソメ図が集合住宅を構成する要素を明快に表現しています。とっつきにくいテーマを松下先生の文章でわかりやすく解説しています。

●150、151ページの「サヴォワ邸の屋上は外のリビング・ダイニング」
サヴォァ邸の屋上や中庭には様々なしつらえがあります。それら屋外のテーブル、ピクチュアーウインドー、アルコープなどは、生活を快適で多用なものにしてくれるに違いありません。


プロフィール
●鈴木敏彦(すずき・としひこ) 1・2・3章担当
工学院大学建築学科修士課程修了。黒川紀章建築年設計事務所、フランス新都市開発公社EPAmarne、早稲田大学建築学専攻博士課程を経て、1999-2007年東北芸術工科大学プロダクトデザイン学科助教授、2007-2010年首都大学東京システムデザイン学部准教授、2010-2011年工学院大学建築都市デザイン学科教授。現在、工学院大学建築学部教授。首都大学東京システムデザイン学部インダストリアルアートコース客員教授。株式会社ATELIER OPA共同主宰。

目次
第1章:建築デザインの基礎知識
第2章:モノと空間のかたち
第3章:巨匠の家具・インテリア
第4章:人の寸法と空間の広さ
第5章:室内環境のデザイン
第6章:住宅デザインのポイント
第7章:集合住宅デザインのポイント
第8章:美しい街並みに住む

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