You are here: Home // 杉原研究室, 鈴木研究室 // (4) コンパッソ・ボランテのISAT2012発表, The presentation at ISAT 2012

(4) コンパッソ・ボランテのISAT2012発表, The presentation at ISAT 2012

Share |

PREMIO COMPASSO VOLANTE 2012 – ETTORE ZAMBELLI XIV edizione International workshops programme2012年12月30日、工学院大学八王子キャンパスにて第11回国際シンポジウムが開催されました。マルコ・インペラドリ先生が来日し、コンパッソボランテ2012の発表者とセッションを行いました。日本に来ると水を得た魚のように、積極的に外交するマルコ先生。左、水野学長との再会。中央、木下先生に今年度のTシャツをプレゼント。右、事務局に頼んで工学院大学のスタッフジャンパーをゲットしたマルコ先生と、さっそくTシャツを着てみた長澤先生。

D4: Workshop:’Compasso Volante 2012′ 13:15-14:45
“Compasso Volante International Challenge on Architectural Design and Innovation at Politecnico di Milano; Edition 2012 SmartArchitecture in Milano City Center”, Marco Imperadori, Politecnico di Milano
鈴木先生の司会で1時間半のセッションが始まりました。始めにマルコ先生が、1999年に始まった国際設計コンペ「コンパッソ・ボランテ」の経緯を説明し、今年度の「スマート・アーキテクチャー」のコンペ要旨や、各国の学生の取り組みをおさらいしました。

PREMIO COMPASSO VOLANTE 2012年度のテーマ概要
ミラノのVia Palermo 19番地に以下の特徴を満たす多機能ビルを設計する。
・環境に対する影響を最小限にすること(エネルギー、素材、水等)
・最先端の技術を使用し、EUの法律(2020年のゼロエネルギー建築)に準じる
・革新的な技術とデザイン

建設地はミラノのブレラ地区に位置しています。現在はデベロッパーのいない空き地となっていますが、再び活気あふれる街並みを取り戻すため、デザインでの貢献が求められます。706㎡の建設地にプライベート空間とバプリックスペースの両方を設け、以下の条件を満たすプランを提出します。

・地下2階:若者が集まり、文化的な催しが行われるスペース(展示会、演奏会、図書館等)
・地上階:文化的な催し物(展示会、演奏会、図書館、待ち合わせ場所、文学・科学技術のカフェテリア、街の総合案内所、ビルの案内所。商業的なスペースは設けないこと。地上階の天井高は他の2倍であること)
・最上階:レストラン、カフェテリア、地上階に直結したロッジア

プロジェクトはディティールレベル(1:20スケール)で計画すること。エネルギー効率や再生可能エネルギーの見積もり等を必ず含むこと。設計図のほか、レンダリング等を交え、9月末までにA1ポスター4枚を提出することが要件でした。

続いて各チームがコンペ案を発表しました。国際会議に初参加ということで少し緊張気味ですが、先月のミラノでのプレゼン経験を活かし、英語の発表に磨きをかけての発表となりました。
“The Small Earth” Jun Kitafuru, Aya Saito, Hajime Suzuki, Ryota Hosokawa, Yurie Yamamoto.
“Tree Building -Eco-building Based on the Method of Ecological-” Angna Kang, Yuri Takada, Saeko Mita, Masumi Yoshizawa.

“Suggestion of Eco Building That Inserted Elements of the External Space and Semi-external Space”
Takafumi Ito, Yusuke Kubo, Shota Miura.
“Coexistence of Architectural Space and Environmental Installation” Jinichi Nishio, Mao Nakagawa, Keisuke Nishide, Shuhei Yamashita

“Sharing to the Future” Takahiro Ishida, Shunsuke Furikado, Daiki Yamaguti, Koichi Yoshikawa.
4月にコンペのテーマが発表になった折り、私たちはミラノの現地調査を事前に行えなかったため、気温や湿度などあらゆるデータをミラノ工科大学に提供してもらい、机上での取り組みになりました。10月始めにイタリアに渡航し、コンペ審査に臨むと同時に、初めて実際の土地に足を運んで敷地を眺め、ミラノの臨場感を実感したり想像とのギャップを感じたりしました。10月末のISATでのポスター発表と口頭発表は、コンペの敷地を実感として理解した上での発表になりました。
最後にマルコ先生が各チームの講評を行いました。

グループ1 細川、山本、鈴木、北古、齊藤 組
A new axis produces it

パレルモ通りに面した北側にはビルがあり人が住んでいる。視線に対し中が見えてしまってはいけないから、北側がふさがれているのは良い。反対側にも人が住んでいるので、夜間はプライバシーには気をつけなくてはいけない。この建物を見ると、とてもこざっぱりとしているから、現状よりファサードを高くすると良い。内部の技術的なものを見せてしまうと調和が損なわれるからだ。右側のファサードにももっと工夫をすると良い。しかし全体的にこのプロジェクトはとても良く出来ている。塀を高くすれば、傍を歩いた時に見えないし隠すことが出来る。もちろん高い位置からは見えてもいいが、道路からは隠したほうがいい。建築の純粋さが伝わる。とにかくテクニカルエレメントは見せないほうが良いと個人的には思う。

グループ2 高田、吉澤、三田 康 組
Tree building

視覚的にトゥーマッチなのは良くない。この案では連結チューブを地下に作ることを構想しているが、難しいしとても費用がかかる。しかしとにかく、この班の情熱と、ビジョンが好きだ。アドバイスするとしたら、ファサードをどのようにすべきかということだ。こちら側は他のビルに面しており、そこには人が住んでいる。あなた達はこのサイトを設計前には訪ねたことが無い。ミラノの学生だったら実感できた経験がない。ファサードの4面は、場所や太陽に対してそれぞれ異なる働きがある。あなた達はこのエグザグラムを典型的な蜂の組織の形状で始めた。化学でも見られる形だけれども、北河原温先生の仕事にもある。(二つ六角形を描いて)強い集中(concentration)が求められるのはこのポイントだ。木の枝のような形であれば、ノードに力が集中することはない。よって、より案を進化させるなら、樹のような造形が良いのではないか。そのほうが有益であり、構造のブレーズに役立つと思う。

グループ3 久保、三浦、伊東 組
Culture park

2位の受賞おめでとう。良く考えられている案だ。しかしアドバイスするとしたら、この絵をもっと良くする方法だ。コントラストを変えることでもっと良くなるだろう。現在、ファサードには関連性が無い。灯台が人々や社会を魅了するように工夫できないか。広場を作り、人々が共に過ごす設計はイタリアの典型だ。上にラウンジがあり、テラスに出れば、このコンペで言わんとする事すべてを実感することが出来る。プレゼンで用いた、セリフの吹き出しはとても面白い。デザインとはコミュニケーションであり、若い精神の現れでもある。ただ一つ、アドバイスするとすれば、アコースティックな技術面だ。この階段面は傾斜しており、音を地上の人まで響かせたかったら、ステージの上を屋根か何かで覆う必要がある。そうすれば音は上に逃げないし、階段の中間の人にも音を届けることができる。オープンなキャノピーは空間的だ。コンクリートは反射して音は上に行く。オープンスペースの音響の設計はとても難しい。実現する際には何らかの対処が必要だ。しかし私はとてもこの案を認めている。

グループ4 西出、中川、西尾、山下 組
The trunk

この班はすべてを統合しようとしていた。すべての効果やスキームは技術的、構造的、建築的に結びついている。ミラノの換気について一つだけコメントするならば、ミラノはとても多湿気候だ。東京も湿っぽいが、ミラノのほうが上を行く。夏は多湿で決して快適ではない。湿気の自然換気は意図的に計画し、評価して対応する必要がある。ミラノではそよ風は吹かないので、換気は工学的に行うしかない。また、夏のミラノは暑い。私は東南にガラスは余り使わない。この案では東側には隣のビルから影が出来るが、南には日が射し込む。外側をサンシェードで保護しないと、太陽が直接ガラスに当たり、エンジンで得た効果は失われるだろう。東、南、西にファサードを置くといいだろう。

グループ5 吉川、振角、山口、石田 組
Sharing to the future

素材の選択にとてもオリジナリティがある。溶岩はミラノでは見ないけれども、南イタリアで見かける。エトナという火山の近く、カタルーニャにある。外装の溶岩のレイヤーに緑が生えれば面白いだろう。緑の苔が生えると建物は変容する。野菜が生長するように、建物もアクティブだ。風土に合うのがこのプロジェクトのとても面白いところだ。さて、この建物の右側は人目にさらされる。近隣と近いのでプライベートスペースには向いていないが、透明なパブリックスペースだから問題ない。北には冷たい光が当たる。北東はガラスで問題ないが、中庭は気をつけないと太陽で焼けるように暑い。

マルコ先生は総括を述べました。
「さて、最終的なコメントとして、鈴木先生を始めすべてのチームに感謝したい。英語で話してくれたこと、国際的な雰囲気を作りあげたことに感謝したい。あなたたち全員が今回素晴らしい成果を出したことに、私は心を動かされた。もし賞を受賞しなかったとしても、それは重要ではない。みんなにおめでとうと言いたい」

そして木下先生からもアドバイスがありました。訳します。
「一言コメントがあります。パワーポイントのプレゼンテーションはとても良かった。皆さんのポスターを見ましたが、パワーポイントの説明のほうが理解しやすかった。つまり、ポスターを作る際には、グラフィックに別の作業をする必要があるでしょう」

それを受けて、マルコ先生は続けました。
「それはとても良いコメントだと思う。ポスターはもっと統合的だ。余計な要素を排除し階層的に整理して強調したいものを見せる必要がある。というのも、ポスターは遠くから眺めるものだからだ。コンテンツが良くても、グラフィックが悪ければ、見る人を魅了することはできない。人を魅了するディスプレイとはシアターのようなものだ。例えば歌舞伎のメークアップは、近くで見るととても強いが、遠くから見ると惹きつけられる。グラフィックで見る人を魅了するためには、遠くから視認できないライトなものは適していない。もっと効果的にポスターを作るには、パワーポイントとは異なる種類のコミュニケーションを選択してほしい」

もっともな意見です。今年は英語での口頭プレゼンは個別に打ち合わせましたが、ポスターのレイアウトに関しては時間の都合上ノーチェックだったことが、指導上の反省点です。

次年度、コンパッソ・ボランテに参加する人は、ポスターまたはパネルを制作する際に、意図的にメリハリをつける必要があります。この経験をリソースとして次につなげていきましょう!

シンポジウムディナーにて、マルコ先生と鈴木先生を囲んでISATを締めくくりました。つづきます。>(5)国際交流2012まとめ

関連する記事を読む
2014プレミオ・コンパッソ・ボランテ結果
2014ミラノ国際交流ワークショップ
参加者募集:2014ベトナム敷地調査&ミラノ国際交流と設計コンペ
2013イタリア国際交流とコンペ、パレルモ編
国際交流2013マカオ:敷地調査と英語のフォローアップ
国際交流2013マカオ:資料ダウンロード
参加者募集:2013ミラノ工科大学との国際交流と国際設計コンペ
(1)ミラノ工科大学と工学院大学のワークショップ2012、International workshop of Cardboard shelters in Milano
(2)国際設計コンペのプレゼンテーション2012, Presentation for Premio Compasso Volante 2012
(3)コンパッソ・ボランテ2012結果とミラノガレリア展示, The result of Premio Compasso Volante 2012
(4) コンパッソ・ボランテのISAT2012発表, The presentation at ISAT 2012
(5)国際交流2012まとめ, Summary of Compasso Volante
ミラノ国際交流に向けた意気込み2012, Setting our goals to overseas training in Milano 2012
ミラノ工科大学との国際交流の続き2012, The story so far, International relationships with PoliMi
ミラノ工科大学との国際交流ワークショップ2011 International Workshop in Milano 2011

Trackback URL

Leave a Reply

Copyright © 2009 Atelier OPA. All rights reserved.
Designed by Theme Junkie. Powered by WordPress.