Cardboard Sleep Capsule

ダンボールスリープカプセル

ダンボールスリープカプセル

2021年 コトブキシ―ティング株式会社より販売

 受賞
2021年6月12日「ダンボール・スリープカプル」は DNA PARIS DESIGN AWARDS 2021 (DNAパリデザイン賞 2021)の「プロダクトデザイン/人々のためのデザイン」を受賞しました。

コロナ禍の災害時の避難環境でも3密を避け、スフィア基準の一人当たりの最低居住空間3.5平米を確保する、強化段ダンボール製の2階建てのスリープカプセルです。

 Award
June 12, 2021. Cardboard Sleep Capsule was awarded DNA PARIS DESIGN AWARDS 2021 in the Product Design, Design for people.

Japanese master architect Kisho Kurokawa designed Capsule hotel in 1979, and Kotobuki Seating Co., Ltd. commercialized the sleep capsule as a product. In 2020, his disciple, Suzuki, and Kotobuki developed Cardboard Sleep Capsule for refugee people of earthquakes or disasters under covid 19 circumstances. Connected two returnable boxes for shipping form a single room, with holes as an entrance and a window for daylighting and ventilation. It consists of the room, stair, outer private space with a desk and a chair. A two-story building accommodates many people while keeping social distancing.

ダンボールスリープカプセルのデザイン開発

建築家の黒川紀章は1969年の「ホモ・モーベンス」と「カプセル宣言」にて、最小単位の空間で建築や都市を作るコンセプトを提唱した。そして1970年に大阪万博でカプセル建築のコンセプトモデルを、1972年に東京で居住用の「中銀カプセルタワー」を、1979年に大阪で宿泊用の「カプセルイン大阪」を実現した。カプセルホテルは新しいライフスタイルとして世の中に受け入れられていった。「カプセルイン大阪」のカプセルベッドを製作したコトブキシーティング株式会社は販路を拡大し、現在6万床の販売実績を重ねる。近年では警察署や消防署の仮眠室、山小屋、海外のフェリーや空港の客室に利用されている。2020年、コトブキシーティングはコロナ禍での避難所の三密を解消しようと考えた。1984年から90年に黒川紀章建築都市設計事務所で黒川に薫陶を受け、2011年の東日本大震災からダンボールシェルターを手掛ける筆者と開発を始めた。

本体には、トライウォールジャパン株式会社の強化ダンボール製品の「Uni-Pak」を改造した。海外との輸出入に用いる通い箱を二箱つなげて一室として、入り口用の大きな丸穴と、採光と換気用の小さな円窓を開けた。上下に重ねて2階建てとし、それぞれの入り口の前に専用のスペースを設けた。いわば二世帯住宅の前にそれぞれの庭がある構成だ。このスリープカプセルの2㎡と、収納とデスクと椅子のスペースの1.5㎡を合わせると、スフィア基準が推奨する避難所の一人当たりの最低居住空間の3.5㎡と合致する。

いくつかの市役所に試作品を持ち込み、防災関係者と打ち合わせた。自治体では事前に備蓄しておき、非常時に体育館で組み立てて用いる。スリープカプセルに入ってみると、心地よいヒューマンスケ ールが感じられる。カプセルや仕切り壁が、周囲の音や視線やにおいを遮り、使用者のプライバシーを確保する。寝具を持ち込めば快適さが増す。パソコンを持参すればデスクでリモートワークが開始できる。こうして避難環境の受入人数を増やしつつ、個々のプライバシーを確保するダンボールスリープカプセルが完成した。  (工学院大学建築学部教授 鈴木敏彦)

デザインに関するお問い合わせ
株式会社 ATELIER OPA お問い合わせ

製品と販売に関するお問い合わせ
コトブキシ―ティング株式会社 スリープカプセルビジネスユニット
TEL:03-5280-5606
https://www.kotobuki-seating.co.jp

被災者のプライバシーと安眠を確保し、軽量、組立式で保管のスペースをとらない安価なダンボール製のコンパクトな寝室。
●スリープカプセル
・外寸:w/d/h=2300/1120/1230
・内寸:w/d/h=2230/1050/1020
・重量:60kg
●専用スペース w/d/h=2300/800/1400
・仕切り壁+棚(5kg)
・仕切り壁+デスク+椅子 (7kg)
・仕切り壁+階段(14kg)
●構造
天井カバー:高密度ポリエチレン樹脂特殊成型+スライドロックレバー
床(パレット):高密度ポリエチレン樹脂特殊成型+スライドロックレバー
壁(スリーブ):強化ダンボール(AAA フルート構造のトライウォール・パック)。安価で制作が容易。傷んだら簡単に交換可能。
●強度
耐圧強度・耐久性・耐衝撃性に優れ、積層する場合の耐荷重は 600kg。トライウォール・パックの強度は、米国連邦規格 PPP-B-640d、米国材料試験協会 ASTM D5168、米国鉄道規格 Rule41、米国自動車輸送規格Item222、英国防衛規格 81-107、ドイツ規格、中国国家標準 GB/T16718 など、世界各国の政府関係規格に適合する。
●組み立て
一人で数分の作業時間で組み立て可能。床と壁はスライドロックで固定されるため、テープや釘は不要。
●収納
壁を折り畳み、床と積み重ねると約1/4のサイズになる。
●リサイクル
床は高密度ポリエチレン製、壁は強化ダンボール製。資源ゴミとして廃棄し、再生される。

© ATELIER OPA Co., Ltd. All rights reserved.

株式会社 ATELIER OPA 101-0032 東京都千代田区岩本町2-16-10 中屋第一ビル3F